文化の混交、生涯学習、および、社会歴史的な視角から、異なる文化の影響を受けながら育つ子どもが家庭・学校・コミュニティの文化化を調整・統合して、さまざまな能力やアイデンティティを獲得していく構造を示唆するものである。だが、江淵が異文化間教育の第4のモデルとして取り上げているように、文化的不連続の視点だけでは捉えきれない「相互作用型」の問題が乳幼児の保育にも存在する。すなわち、保育実践においても、言語的・文化的マイノリティの子どもが主流文化でよりよく生きていく術を模索するだけではなく、一般の子どもを対象とした異文化理解教育や多文化教育を推進しようとする政策が確実に生じている。たとえば、OECD(経済協力開発機構)の教育委員会は、1998年に「乳幼児の保育と政策」に関する調査に着手し、低収入の家族の子ども、民族的・文化的・言語的なマイノリティの子どもなど、特別な配慮を必要とする子どもを含む、すべての子どもたちの保育の質的な向上を共通課題のひとつにあげている。これはグローバル化か進む社会で、保育の質を高めようと、国・州・民間団体のレベルで盛んに議論されていることを示す例である。こうした状況から判断して、子どもをとりまく生活匪界も例外なく、ボーダーレス社会に突入したということができる。それは、消費文化、大衆文化のグローバル化にとどまらず、就学前教育の文化・制度・政策にもあてはまる。その点については、コラムですでに検討している。
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