「コミュニティ」の結びつきの強さは、社会賃貸セクターを残余化し、持家セクターを支援するデュアリズムの住宅システムを補強した。日本の労働組合は個別企業を単位として組織され、大半のケースにおいて、正規被用者のみをメンバーとする。企業を超える労働運動の連帯は弱く、組合の多くは企業ごとに自己利益を求める。組合が企業に協調関係を提供し、その見返りとしてフリンジ・ベネフィットを受け取るというパターンは一九六〇年代から拡大した。
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企業はフリンジ・ベネフィットを一つの手段として組合の協力的な態度を調達し、「コミュニティ」の安定を得ようとした。大企業の組合は六〇年代に社会党支持の立場から離れ始め、その傾向は七〇年代から八〇年代にかけていっそう顕著になった。企業と組合の相互依存を形成する仕組みの一つが福利厚生制度の住宅融資である。労働運動か住まいの社会権に関心を示さず、企業協力と持家取得援助を交換するという「脱政治化」した光景が日本の住宅システムを形づくってきた。