私達はそのことを嘆くかわりに、研究結果を受け入れる際に、どんな場合も、もっと警戒すべきことを学ぶべきだ。警戒心とは、科学者が矛盾から学ぶものだ。一般の人々も、そしてリポーターとコラムニストも、同じ教訓を学べない理由はない。そのうえ、その矛盾は、実際そうであるというよりも、一見そのように見えるだけかもしれない。例えば、もし危険因子が非常に弱いが、統計的に有意ならば、メディアは、〈危険にさらされたことによる結果〉を示したと報道する。それ以前に別の研究で全く同じ相対危険度を発見していたかもしれないが、より小規模の研究であったために、その差は統計的に有意ではなかった、としよう。その場合メディアは、過去のその研究はく危険にさらされたことによる結果〉は示さなかったと報道するだろう。そして、2つの研究成果が実際は違わない可能性については全く報道しないだろう。健康ニュースは関連する研究も含めて総合的に報道されなければかえって有害だ。グッドマンは別の問題についても不満を言った。ある意味では健康によくても、別の意味では悪いと示す研究があることである。彼女が言ったようにエストロゲンは心臓病を予防するが、乳癌にかかる確率は高めるかもしれない。もしたくさん走るなら、骨は脆くなるかもしれないが、心臓の働きは強く保てるだろう。もしワインを飲むなら、肝臓は悪くなるが、悪玉コレステロール値は低下する。しかし、グッドマンの嘆きは仕方のないものだ。物事が一律によくなるようにとか一律に悪くなるようには、自然は作られていない。物事はあるがままのものだ。そうではあるが、そのことは、健康関連ニュース報道に関して、別の重要な問題を浮上させる。ジョギングと骨粗穀症(グッドマンの言った脆い骨)に関する研究の記事は、他との関連を示すことなく単独で報道されることがあまりにも多かった。実際、ある面で、健康に影響するたいていの食物や行為は、別の面でも健康に影響する。一つの研究の記事をもっと大きな背景の中に置こうとしないのは、人々にとってかえって有害だ。実際はメディアの報道の仕方のせいなのに、人々は科学のせいでひどい目にあっていると感じる。
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